葉山の町政

斜面地における建築物の建築制限制度

最終更新日:2014年4月1日

葉山町建築物の構造の制限及び地盤面の設定に関する条例が施行されました

 平成18年6月の町議会に「葉山町建築物の構造の制限及び地盤面の設定に関する条例」が可決され、平成18年7月1日に施行されました。

条例の全文

 葉山町条例第25号

葉山町建築物の構造の制限及び地盤面の設定に関する条例


(目的)
1条 この条例は、建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「法」という。)第50条の規定に基づき建築物の構造に関する制限を定めるとともに、法第52条第5項の規定に基づき地盤面を定めることにより、優れた住環境を保全することを目的とする。
(定義)
2条 この条例における用語の意義は、法及び建築基準法施行令(昭和25年政令第338号。以下「令」という。)並びに都市計画法(昭和43年法律第100号)の例による。
(法第50条の規定による建築物の構造の制限)
3条 法第50条の規定により条例で定める建築物の構造に関する制限は、建築物が周囲の地面と接する位置のうち最も低い位置(以下「最下位」という。)から上部の階数(階の一部が最下位より下にあるものを含む。)の制限とする。
前項の階数は、第一種低層住居専用地域においては3を、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域及び第一種住居地域においては4を超えてはならない。
(法第52条第5項の規定による地盤面の設定)
4条 法第52条第5項の規定により条例で定める区域は、第一種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域及び第一種住居地域とする。
法第52条第5項の規定により条例で定める地盤面は、最下位の高さにおける水平面とする。
(適用除外)
5条 第3条の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
(1)  法第55条第3項各号、第59条の2第1項、第86条第3項若しくは第4項又は第86条の2第2項若しくは第3項の許可を受けた建築物
(2)  大規模な修繕又は模様替えを行う建築物
(3)  この条例の施行の際現に存する建築物又は現に建築の工事中の建築物(以下「現存建築物」という。)のうち階数の限度を超えるもので、次の各号のいずれにも該当する増築を行うもの
階数の限度の範囲内で、かつ、床面積の合計が現存建築物の床面積の1.2倍を超えない増築
令第2条第1項第8号で階数に算入しないとする昇降機塔等を設ける増築にあっては、階数の限度を超えない階の屋上部分に設けるもの
前条の規定は、周囲の地面と接する位置の高低差が3メートル以内である一戸建ての住宅(住宅の用途以外の用途に供する部分の床面積の合計が、延べ面積の2分の1以上であるもの又は50平方メートルを超えるものを除く。)については、適用しない。
(罰則)
6条 第3条第2項の規定に違反した場合における当該建築物の設計者(設計図を用いないで工事を施工し、又は設計図書に従わないで工事を施工した場合は、その建築物の工事施工者)は、50万円以下の罰金に処する。
前項に規定する違反があった場合において、その違反が建築主の故意によるものであるときは、当該設計者又は工事施工者を罰するほか、当該建築主に対して同項の罰金刑を科する。
(両罰規定)
7条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し前条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同条の罰金刑を科する。

   附 則
 この条例は、平成18年7月1日から施行する。

いただいたご意見と、それに対する町の考え方を公表します

ご意見ありがとうございました。

実施期間

3月2日(木)~3月22日(水)

提出された文書

18通(計22件) (FAX:5通、e-mail:13通)

意見等の一覧
階数を制限する地域について
  意見の概要 町の考え方
1 商業地域には崖は少ないのですが、堀内・元町近辺も全て10m以下、道路巾以上の建築物の高さは認めないほうがよいと思います。
商業地域も対象区域にすべきです。
条例の案は、斜面地の建築物を平坦地と同様に制限するものであるため、平坦地である近隣商業地域は、階数の制限が必要ないものと考えます。
なお、近隣商業地域は、平成13年に定めた高度地区により、建築物の高さが15m以下に制限されています。
階数の制限について
  意見の概要 町の考え方
2 条例の案は、従来に比してかなり改善されているが、土地の段切りをすれば、幾層にも造成が可能となる。
例えば、3段の場合、3階×3段=9階、4階×3段=12階で、正面からみれば高層建築物の建設が可能となる。
したがって、こうした土地では、最低地盤面を建設グランドラインとすること。
条例の案は、建築基準法の規定に基づき定めるものであり、建築物の形態や建築物と地面との関係に関わらず、ご意見のように階数を算定することは、法的に不可能であると考えます。
なお、条例の案は、急斜面では例示の土地利用に対しても十分な効果があり、また、効果が少ない緩やかな斜面では、斜面地建築物による周辺住環境への影響そのものが少ないものと考えます。
3 階数制限の案には賛成です。しかしもう少しはっきりしたほうがよいと思います。
階数の算定方法は最大階数(完全な地階は含まない)とし、上も下もなくこれ以上はダメとはっきり書いて欲しいのです。
附則は全てなくしたほうがよいと思います。
条例の案は、建築基準法の規定に基づき定めるものであり、建築物の形態や建築物と地面との関係に関わらず、ご意見のように階数を算定することは、法的に不可能であると考えます。
4 建築物の高さの最高限度が12mの地域において、建築物と地面が接する最下位から4階に制限することは、一般的な住宅の階高を2.7mと仮定すると、2.7m×4階=10.8mであることから、平地であっても、建築物と地面が接する最下位から5階は建設が可能で、土地の財産権を過度に侵害しており、違法である。 建築基準法第50条の規定に基づき、建築物の見かけの階数を制限することは、違法ではないと考えます。
5 建築基準法第50条に規定する建築物の構造に「階数」を位置づけ、建築物の高さの最高限度が12mの地域において、建築物と地面が接する最下位から4階に制限することは、法施行令第21条に定める天井高2.1m以上との規定を参考としながら建築物の階高を2.7mと仮定すると、2.7m×4階=10.8mであり、平地であっても一部が地面よりも下にある階を含めれば、建築物と地面が接する最下位から5階は建設が可能で、法と異なる規定を条例で定めることは違法である。 No.4と同じ。
6 斜面地により形成させる敷地規模が大きい土地において、斜面地の地形に沿って、建築基準法で決められている高さ制限の範囲内で計画が可能となる建築物を想定した場合、条例の案は、委任条例で決められる範囲を超えているので、条例として違法性が高いと考える。 No.4と同じ。
7 斜面地等で敷地内に高低差のある場合、建築基準法では、建物と周囲の地面の接する位置の高低差が3mを超える場合、高低差3m以内ごとの平均の高さにおける水平面で地盤面を設定することとなっているにもかかわらず、建築物の階数を最下位から制限することは、委任条例で決められる範囲を超えているので、条例としての違法性が高いと考える。 No.4と同じ。
8 住宅地下室の容積不算入の趣旨に基づいて斜面地条例を定めるにしても、建築物の高さが12m以下に制限されている地区で6階まで、15m以下に制限されている地区で7階まで認めて頂きたいと思います。 条例の案は、高度地区を補完するものでもあるため、その趣旨に即して建築物の高さが12m以下に制限されている地区では、4階が適当であると考えます。
なお、建築物の高さが15m以下に制限されている地区(近隣商業地域)では、階数の制限はありません。
9 条例の案は、斜面地なりに計画される繋がった複数の建物(一団地認定を除く)についてそれぞれの部分において高さ制限を遵守した建築物を配置することを制限することになり土地利用にとって不合理。
敷地内に高低差を有する大きな面積の敷地を想定していないのではないかと思われ、階数を最下位から一律に4階に定めるのではなく、繋がった別棟等について、各々の重なり部分の地上階数にて制限をする等の考慮をすべきだ。
条例の案は、建築物の見かけの階数を制限するものであり、建築物と地面が接する最も低い位置から上部については、建築基準法施行令第2条の規定に基づき階数を算定するため、不合理ではないと考えます。
10 いわゆる階段状斜面地マンションは、景観形成にも有意義な建築手法であり、階数の重なりが少ない為、斜面地の下部からの圧迫感も少なく、規制の目的にも該当せず、優れた住環境の実現に寄与する形態であると考えられます。
重なりが最大の部分の階数(見かけ上の地上階数)等で規制することを考慮していただきたいと考えます。
No.9と同じ。
階数の制限の適用の除外について
  意見の概要 町の考え方
11 地下駐車場等も階数に数えられると、駐車場を外部に設けられざるを得ないような事態も想定され、良好な環境の維持に逆行することとなることから、車路・通行路・駐車場等の用途に供される部分を含む階については、階数の制限から除外して頂きたいと考えます。 条例の案は、建築物の見かけの階数を制限するものであり、用途に応じた適用の除外は不適当であると考えます。
12 葉山町まちづくり条例には、「事前相談」、「特定開発事業計画書の提出」等の諸手続が定められているが、条例の案は、どの段階にある案件から適用されるのか。 条例は、建築基準法に基づくものであり、適用の除外となるのは、建築基準法第3条の規定のとおりです。
13 施行時点で「事前相談」が済んでいる計画は、既に計画が実施段階にあるのであるから、規制の対象外とすべきである。 No.12と同じ。
14 施行時点で「特定開発事業計画書の提出」が済んでいる計画は、既に計画が実施段階にあるのであるから、規制の対象外とすべきである。 No.12と同じ。
15 施行時点で「開発事業事前協議書の提出」が済んでいる計画は、事業者と町民の間で調整が図られているのであるから、規制の対象外とすべきである。 No.12と同じ。
地盤面の位置について
  意見の概要 町の考え方
16 町の永続的な発展に人口の緩やかな増加が必要と考えた場合、地盤面の位置は、「建築物が地面と接する最も低い位置」ではなく、「建築物が地面と接する最も低い位置と最も高い位置との中間点」とすべきです。中間点にしても、葉山の優れた住環境を守ることは出来ると考えます。 町の発展を総合的に捉えた貴重なご意見ですが、条例の案は、斜面地と平坦地における容積率の算定基準を同一にするためのものであり、人口を減少させるものではないと考えます。
条例の施行期日について
  意見の概要 町の考え方
17 条例の案は、一部新聞報道で7月施行とのことであるが、事業者は法令・条例・行政窓口での協議を経て計画を立てており、用地を取得した事業者へ巨大な損失を被らせ、土地所有権の侵害にあたる条例の案は、標準的な設計期間に加えて、まちづくり条例に基づく手続き期間を考慮し、条例の公布後、十分な周知期間と経過措置を定めてから施行する必要がある。 隣接の市でも同様の内容の条例を制定していることから、本町でも早急に制定すべきと考えます。
なお、条例の導入については、平成17年12月より事前の周知を行っております。
18 条例の案は、7月からの施行をめざすとのことであるが、著しく拙速であり、事業者が既に用地を取得し、行政相談を行いながら合法的に計画を進め手続きを行っている事業について、遡って制限することは事業者に対する影響が著しいので、標準的な設計期間に加え、まちづくり条例に基づく手続き期間を考慮して、条例を公布した後、十分な周知期間と経過措置を定めてから施行しなくてはならない。 No.17と同じ。
その他
  意見の概要 町の考え方
19 戸建住宅と共同住宅の調和を図るため、第一種低層住居専用地域は、原則、戸建住宅限定とすること。
戸建地域は、1区画を50坪以上とし、それ以下となる分割は認めないこと。
新規開発は事業者に義務づけ、既存地では、住民の2/3の賛同で地域協定の締結を図り、戸建地域を推進すること。
今回は、斜面地建築物の制限に関するもののみに回答します。
20 共同住居の無秩序な高層化を防ぐため、原則として、傾斜地での段切を認めないこととし、また、平地での高層建築は、葉山町高層審議会を設け、計画の事前審査をするとともに、周辺住民への計画説明会は従来通り実施すること。 条例の案は、建築物の見かけの階数を制限するものであり、土地の造成を制限するものではありません。
また、平地については、平成13年に定めた高度地区が有効に機能し、建築物の高さを厳しく制限できていますし、周辺住民への説明については、葉山町まちづくり条例に基づき、適切に対応しています。
21 住環境の整備が葉山町の存在を示す格好の材料です。海外には平らな都市を良く見かけます。遠望見は重要です。葉山は大型商業を呼ぶより、住を呼び込み小型の商店を作ることのほうがふさわしいと考えます。マンションを作るなら山のほうに纏めてマンション団地を作ればよいと思います。 今回は、斜面地建築物の制限に関するもののみに回答します。
22 特定行政庁に当らない葉山町は、建築基準法第50条に規定する委任条例を定めて適切に運用することができないのではないか。 特定行政庁である神奈川県と十分に調整を図り、適切に運用します。

斜面地における建築物の建築を制限する条例について

 近年、斜面地を利用した合法的な高層建築物による住環境の悪化が懸念されています。
 これは、建築基準法に定める建築物の高さの算定方法(いわゆる平均地盤面からの高さ)や、容積率の算定方法を最大限に利用したものであり、平成13年に決定した高度地区の趣旨にそぐわないばかりか、市街地に溶け込む斜面の緑を著しく損なう恐れのあるものです。

 葉山町では、こうした建築物に適切に対応し、優れた住環境をより万全なものとするため、建築物の階数の制限及び容積率の算定に用いる地盤面の設定に関する条例案を18年第2回定例会(6月議会)へ提案する準備を進めています。

階数の制限 建築基準法第50条の規定に基づく条例の案

 建築基準法第50条は、建築物の構造等に対する制限の規定です。
 県内の政令市や中核市では、全国に先駆けて、この建築基準法第50条に規定する構造に「階数」を位置づけ、平成16年度に建築物の階数を制限する条例を相次いで施行しています。
 葉山町では、本年1月に葉山町まちづくり審議会に「斜面地における建築物の制限について」を諮問し、建築物の階数を制限する条例案を策定しました。

(1)建築物の階数を制限する地域と、制限の内容(案)
制限する地域 制限の方法
第一種低層住居専用地域
(建築物の高さの最高限度10mの地域)
建築物と地面が接する最下位から3階
第一種中高層住居専用地域
 第二種中高層住居専用地域
 第一種住居地域
(建築物の高さの最高限度12mの地域)
建築物と地面が接する最下位から4階

建築物の高さが12メートルに制限されている区域で、上表のとおり階数を制限した場合の例

階数を制限した場合の例
(2)対象建築物(案)

すべての建築物

(3)適用の除外(案)
  • 建築基準法第55条第3項、第59条の2第1項、第86条第3項若しくは第4項又は第86条の2第2項若しくは第3項の許可を受けた建築物
  • 大規模な修繕又は模様替
  • 階数の限度内で、かつ、床面積1.2倍を超えない増築(昇降機塔等は階数の限度を超えない階の屋上に限る)
(4)罰則(案)

50万円以下の罰金

地盤面の設定 建築基準法第52条第5項に基づく条例の案

 建築基準法第52条第5項は容積率に関する規定であり、斜面地における建築物に対応するため、平成16年の法改正で定められたものです。
 改正前は、高低差3メートルごとに設定される「地盤面」と、それによって生じる地階との関係で、住宅の用に供する床面積は、住宅の用に供する床面積の合計の1/3まで容積率に算入されませんでした。
 改正後は、その「地盤面」を地方公共団体の条例で定めることによって、容積率の緩和を利用したボリュームの増加を抑制することができるようになりました。
 葉山町では、本年1月に葉山町まちづくり審議会に「斜面地における建築物の制限について」を諮問し、地盤面の設定に関する条例案を策定しました。

(1)対象建築物(案)

建築物と地面が接する位置の高低差が3メートル以内である一戸建ての住宅を除く建築物

(2)対象地域(案)

近隣商業地域を除く市街化区域

(3)地盤面の位置(案)

建築物が周囲の地面と接する位置のうち最も低い位置の高さとする

地盤面の位置(案)

*上図はイメージであり、実際は、建築基準法に定める他の規定との関係で異なる場合があります